
生きている間に吐けたはずのことばたちは空に向かって走り出した
目的地のない痛みはきれいだった

強く見える黒に 飲みこまれない白でありたい

曲がり道があるから ゆっくり歩ける 一直線にしないのは 人だった頃の神様の願い

解毒剤のない毒を 飲んでしまったあの日から 求めてしまったあなたという毒

空っぽになりかけた私の夜に 流れた星たちのきらめきは 柔らかな砂になって 時を動かし続けた

切ったつもりで絡まる縁は 解くことのできない赤さをしている

わたしだけの大切を守ることは 誰かの大切を守ること
生まれた勇気を残すことは 誰かの勇気を無くすこと

切った遠くに見える悲しみに 触れて気づく痛覚が まだ生きていることを教えてくれる

はるか先の豊かさは 近づいたらただの網 見えている虚像に縋るより 見えていない実像に迫るまで 心臓の音を聞き続ける

はどこから来たと聞いても 答えぬ風の行く先は 光か闇かわからぬまま 彼も同じく 吹雪いて生まれ そよいで消えた 包まれたのはどっちだろうか

スポットライト 四六時中当ててあげる 壊れかけた私でも 君のしあわせ願えるから 夜を終えたら朝に会える
吹きこぼれた騒音に 慌ててまっすぐ手を伸ばす そのまま何も しない私でいたかった
ここは真っ暗な闇ではなく 真っ白な闇 見える分だけわかりきった 希望もなく されど私は知っている 白という光を
迷った先に現れた 君の音色に導かれ 共に歌った喜びが 未だに強く響いてる
軽い器を持っては使いやすく扱われ 重い器を持っては使いづらくて大切にされる不思議と戦ってみる
泥道はいつの間にかアスファルトになり 聞き取れない言葉はいつの間にか話せるようになる 不可逆な過去は透明になり 不知な未来に色がつく 何もできない私のままでいられたら 噛みつづけては消えない味に期待して 一人で生きてる笑ってる
失った記憶を取り戻したくて 思い浮かべた名前は 何故か君じゃないから 透明のまま漂うばかりの 識別番号を繰り返した